製造業の現場で働く期間工は、生活環境の整備や報酬面の優遇に加え、未経験でも採用されやすいため、興味を持つ人も多い人気の仕事です。ただし、契約期間が定められているため、契約満了した後についても計画を立てておくことが望まれます。
この記事では、期間工の契約期間が満了した後の選択肢について、どのようなものがあるかを解説しています。これから期間工に応募する人は、ぜひ今後のキャリアプランの参考としてください。
目次
期間工の契約期間と最長期間
期間工の契約期間は、通常3か月~6か月で設定されていることが多く、雇い主である企業によって変わります。契約期間が満了すると、双方合意のもとで契約の更新が行われ、最長で2年11か月まで契約延長が可能です。
労働基準法によって、3年以上連続で勤務するには正社員としての雇用になるため、期間工としての勤務は最長でも2年11か月で終了します。
なお、契約満了とは最長期間の2年11か月後だけでなく、契約更新の際に、更新の意志を示さない場合も契約期間満了として扱われます。そのため、更新のタイミング以外で辞めなければ、すべて契約満了となることを認識しておきましょう。
期間工の契約期間満了、その後の選択肢
期間工の契約期間が満了した後は、どのような選択肢があるのでしょうか。ここでは、期間満了後の選択肢について5つのパターンに分けて紹介していきます。
再雇用
2年11か月の最長期間を期間工として勤務した場合、契約の更新はできません。しかし、「クーリング期間」といわれる期間を経ることで、それ以前の契約期間は一旦クリアされ、再度同じ職場での勤務が可能です。
クーリング期間は最低でも6か月間とされており、その間は無職となるか、または別の職場で働くことになります。また、契約満了や会社都合などの特定理由離職者に対しては失業保険(失業手当)を受け取るまでの待機期間が短くて済むため、この手続きについても事前に確認しておきましょう。
正社員
期間工として採用された後に、正社員登用のチャンスを用意している企業もあります。登用への条件は企業ごとで異なりますが、普段の就業態度も踏まえて現場の上司が推薦します。
ただし、積極的に正社員登用を行っている企業もあれば、制度があっても実績がないような場合もあります。正社員登用制度を視野に入れている人は、応募の際に実績の確認もしておきましょう。
別会社で期間工
期間工の仕事や待遇が気に入っている、または6か月も無職でいられないと考える人は、別の会社で期間工として働くことができます。この場合、正社員登用の機会を伺いながら、自分に合った企業を探せます。
辞める時期を更新月に合わせることで円満退社も実現できるため、期間工の契約制度を上手く活用した選択肢として把握しておきましょう。
退職
期間工は、契約満了時にもらえる「満了慰労金」という名目の支給金があり、支給される金額は企業ごとに異なります。2年11か月の期間満了時の支給金の総額が200万以上となる企業も存在します。
こういった大きな資金を元手として、期間工で働いた後に起業やFIREを目指すといったことも選択肢の一つです。
転職
期間工の仕事をつなぎとして、別の職種へ転職することもできます。体力が必要な期間工の仕事の中で得た経験を活かすことや、期間満了後に職業訓練校に通うといった選択肢もあります。
期間工の仕事は休みが多く、日程のスケジュールが立てやすいことが挙げられるため、転職活動にも取り組みやすい環境がそろっています。ライン作業での協調性や、同じ作業をもくもくとこなせる勤勉さをアピールし、転職することも視野に入れておきましょう。
期間工として継続して働くメリット
期間工の契約期間の満了後は、さまざまな選択肢を選ぶことができます。その中でも、期間工として継続して働くことには大きなメリットがあります。
まずは、満了まで続けてきた仕事であるため、仕事に対する慣れがあることに安心感があります。また、ある程度作業にも習熟した状態で臨めるため、気持ちにも余裕がもてます。
金銭面についても、引き続き生活費を抑えながら安定した収入が得られるため、より多くの貯金を作ることができるでしょう。お金の心配がない状態が作れると、人生の満足度も上がります。
期間工として仕事を続けることで、こういった生活のベースを安定させることができる点は、メリットとして把握しておきましょう。
期間工のメリットを活かして働こう
期間工の仕事は契約期間が定められたものですが、契約満了後の選択肢は広がっています。満了後に退職して起業したり、転職して他の仕事に就いたりするだけでなく、期間工として働き続けることや正社員となって同じ仕事を継続するといったこともできます。
金銭面の工面やキャリアプランを練りながら、期間工の契約満了後についても事前に計画しておきましょう。