期間工とPEOは何が違う?どちらで働くかの選び方とは

期間工とPEOは何が違う?どちらで働くかの選び方とは


期間工は短期間で多くの貯金ができる一方で、契約期間に上限があるため、長期的に安定した働き方ができないイメージを持っている人もいるでしょう。そんな中、期間工ではなくPEOで働くことを勧められることがあります。PEOには期間工とどのような違いがあるのでしょうか。
 

この記事では、PEOの概要を説明し、期間工との違いについて解説していきます。どちらを選ぶかのポイントも紹介するため、雇用形態で悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
 

PEOとは?

PEOとは、「習熟作業者派遣組織(Professional Employer Organization)」のことであり、いわゆる「無期雇用派遣」を指します。日本国内では「株式会社PEO」が自動車や製造業系の工場への無期雇用派遣を行っています。派遣会社やアウトソーシング経由で期間工の求人を探していると、PEOを紹介されることがあります。
 

PEOの最大の特徴は雇用形態が特殊なことです。まず、「株式会社PEO」で正社員として雇用され、その後に無期雇用派遣として提携している工場に派遣されます。派遣先の企業で直接雇用されず、PEOの社員として働くことになるのです。
 

期間工とPEOの違いはあるのか?

ここでは、以下の2つの点について、期間工とPEOに違いがあるかどうかを解説します。
 

● 仕事内容は変わるのか
● 給与は変わるのか
 

仕事内容は変わるのか

結論としては、期間工とPEOで仕事内容が大きく変わることはありません。どちらで雇用された場合であっても、主な仕事は溶接や塗装、製品の組み立てなど工場でのルーティン作業を行います。専門性の高い仕事を任されることは少なく、未経験者でもできる業務がほとんどです。あくまで雇用形態と入社までの方法が違うだけで、現場で行う作業は一緒です。
 

給与は変わるのか

給与体系は、期間工とPEOで大きく異なります。期間工の給与は時給で計算され、働いた分だけの給与が支払われます。また、入社祝金や契約満了金が高額に設定されていることが多く、短期間で稼ぎやすいのが特徴です。
 

一方でPEOは、株式会社PEOから固定給が支給されます。PEOの正社員として働くため、派遣先の会社から給与が支給されるのではなく、雇用主であるPEOから支払われる仕組みです。期間工に比べて基本給が高く各種手当もつきますが、契約満了金はありません。入社祝金はありますが、期間工の数十万円に比べてPEOは数万円程度となります。
 

PEOで働くメリットとデメリットは?

期間工ではなくPEOで働くメリットやデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。ここではそれぞれについて解説します。
 

無期雇用派遣で契約期間の縛りが無く、正社員になれる

PEOは無期雇用派遣で期間工のように契約期間の制約はなく、PEO社の正社員として働けるため、長期的に雇用が安定するのがメリットです。期間工は契約が満了すると、基本的にはその職場で続けては働けなくなります。
 

期間工として同じ職場で働き続けるためには、一時的に別の工場で働く期間を設けるなどの工夫をする必要があります。そのため、職場を転々とすることになり、その経歴は履歴書にも残ります。一方PEOにおいては、無期雇用で雇用契約主は株式会社PEOのため、派遣先が変わっても経歴上は同じ会社です。
 

また、派遣先を変える際にはPEO社が候補先を選定してくれるうえに、エントリーシートを書いたり面接を受けたりする必要がなく、手間がかかりません。
 

給与面で派遣や期間工に劣る面もある

PEOの場合は固定給となっており、普通の派遣や期間工に比べて手取りが下がる点がデメリットです。派遣は時給がやや高めに設定されており、総支給額も多くなります。期間工の場合は、基本給はそれほど高くないものの、入社祝金や期間満了金などの手当が高額なため、結果的に支給される総額がPEOよりも高くなる可能性があります。
 

PEOにも時間外労働手当やボーナスなどがありますが、派遣や期間工に比べると総額は少ない傾向にあると言われています。また、寮費や光熱費なども負担しなければならないケースがあり、短期間で多くの貯金を目指す人にとってはデメリットとなるでしょう。
 

期間工とPEOのどちらを選べばよい?

短期間で効率的に貯金したい人は期間工、長期的に安定した働き方を実現したい人はPEOを選ぶとよいでしょう。
 

期間工は、同じ工場で最大2年11か月(トヨタバッテリー株式会社では54か月)の期間において働けますが、半年間の期間満了ごとに数十万円の慰労金が支給されます。入社祝金も含めると、契約満了までに各種手当だけで100万円以上を受け取れます。残業や休日出勤を増やせば、さらに多くの貯金が望めるでしょう。
 

一方のPEOでは、正社員という安定した働き方ができるのが最大のメリットです。無期雇用のため契約期間に縛りがなく、希望の勤務地で理想の働き方ができます。また、職務経歴には正社員としての肩書が記載できるため、他業種へ転職しようと考えた際に期間工より見栄えはよくなります。
 

期間工とPEOどちらもメリット・デメリットがあるため、キャリアプランや働く目的を明確にして、自分に合った働き方を選ぶのが大切です。
 

期間工とPEOは一長一短、しっかり比べて選ぼう!

期間工とPEOを比較するとそれぞれに良し悪しがあるため、キャリアプランや働く目的によってどちらを選ぶべきかが変わります。期間工とPEOで雇用形態と給与体系に違いがありますが、仕事内容には大きな差はありません。
 

この記事で紹介したPEOの特徴やメリット・デメリットを参考にして、自分に最適な働き方を選びましょう。

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