大卒ではどの企業に就職するか悩むものですが、その選択肢の中に期間工を入れることはありなのでしょうか。期間工を募集している大抵の企業では、やる気のある人や力仕事に向いている人であれば、学歴経歴を問わず未経験でも積極的な採用をしています。
この記事では、大卒が期間工で働くことについてメリットやデメリット、大卒で期間工になる人の特徴などを紹介していきます。大学卒業後の進路に迷われている人はぜひ参考にしてください。
目次
大卒からそのまま期間工で働くのはあり?
期間工は短期間で貯金を貯めやすい仕事であり、何かしらの目的があってお金を貯めたいのであれば大卒で期間工を選択するのは「あり」といえます。たとえば、「海外留学や資格取得などの費用を貯める」「独立するための資金を貯める」「大手企業の正社員登用を目指す」といった目標がある場合です。
期間工で働くと、基本的には寮に入ることができます。福利厚生が充実しているメーカーも多く、寮費や光熱費が無料など出費を抑えることができ、目的を短期間で達成するためにはおすすめの働き方といえます。
ただし、期間工には契約期間に制限があり、遅くとも3年後には転職しなければなりません。転職活動を行う際には、期間工で働いたことで得た経験とスキル、今後のキャリアプランなどについてきちんと説明できるようにしておくことが大切です。
大卒が期間工で働くメリット
ここでは、大卒で期間工の職に就くメリットを2つ紹介します。
一般的な大卒初任給よりも給与が高い
期間工として大卒で働くと、他の一般企業に正社員として働く場合よりも初任給が高くなる可能性があります。
トヨタバッテリーでは、新3班2交替制(時給1,270円、4勤2休)の場合は、新卒でも月収は324,000円です。また、毎月得られる給与とは別で、入社祝金などの手当が支給されるため、初年度だけでも多くの収入を得られます。
近い将来に叶えたい夢や目標がある人にとっては、大卒からすぐに期間工として働くことで、より早く実現できる可能性があります。
期間工から正社員を目指せる
多くのメーカーでは正社員登用制度を設けているため、期間工から正社員になるケースは珍しくありません。正社員登用制度とは、期間工として働きながら一定の条件を満たした場合は、正社員登用試験を受けられる制度のことです。
トヨタバッテリーでは、正社員登用試験を年に4回実施しており、直近の5年間(2017年~2021年)で計391名を登用しています。大卒で期間工で働くときには、正社員登用を視野に入れておくと自分のキャリアアップにつながるでしょう。
大卒が期間工で働くデメリット
ここでは、大卒からすぐに期間工で働くことにおいて考えられるデメリットを解説します。
新卒ブランドを失う
日本の会社では「新卒ブランド」を重視する傾向が未だにあります。純粋でフレッシュな新卒社員を欲しがる会社は多いため、「期間工で新卒のブランドを失うのはもったいない」という見方もできるでしょう。就職先の1社目をどこにするかは、今後のキャリアを大きく左右する可能性があります。
同じ会社で長期間働けない
期間工は有期雇用であるため、同じ会社で長期間働けないという点もデメリットの一つです。ほとんどのメーカーで契約期間が最長2年11ヶ月までと決まっています。トヨタバッテリーでは4年6ヶ月が最長ですが、それでも期限のない正社員と比べるとデメリットとなります。
「専門性の高いスキルを身につけられない」「転職の際に、職歴の部分で不利になる」といった部分で不利になる可能性があるため、期間工で働くとしても将来を設計しておくことは必要です。
ビジネススキルを身につける研修等はない
多くの会社では、大卒で入社後すぐに新入社員研修が行われます。その場において、基本的なビジネススキルやマナーを習得していきます。
期間工においてはビジネススキルを身につける研修がないため、期間満了後に転職した際にビジネスマナーで苦労するかもしれません。期間満了後に転職も視野に入れている場合は、日常の空いた時間でビジネスマナーの勉強をしておく必要があります。
大卒で期間工になる人の特徴
大卒で期間工になる人は、「短期間で多くのお金を貯めたい」「職歴に空白期間を作りたくない」といった考えを持つ人が多く、大卒で期間工を目指すのであれば自身の目標や今後のプランを練っておきましょう。
短期間で多くのお金を貯めたい人
期間工は、基本給や各種手当が高く設定されており、短期間で多くの収入を得たい人に向いています。また、会社側が寮を用意していることも多く、出費も抑えられるためお金を貯めやすい環境があります。期間工は、短期間でまとまった資金を貯められる、有効な選択肢の一つといえるでしょう。
職歴に空白期間を作りたくない人
職歴の空白期間を避けたい場合、期間工は有期の雇用契約であるため「つなぎ」の職として有効です。フリーターとしてアルバイトを繰り返している人や、無職の期間が長い人は、その後の就職が難しくなる場合があります。
期間工を経験することで空白期間について職歴を確保でき、就職に向けた実績を示せます。また、期間工から正社員を目指すことも可能であり、キャリアアップのチャンスもあります。
大卒で期間工になるのも一つの選択肢として問題なし!
大卒で期間工として働くことは、特に短期では金銭的なメリットが大きいため、目的や将来の夢がある人にとっては良い選択肢といえます。一方で、新卒ブランドを失うことや長期的なキャリア形成には不向きといったデメリットもあります。
期間工ではお金を貯めやすい環境がそろっているため、早期に自分の目標や夢を叶えたいと考えている人は、ぜひチャレンジしてみてください。