「期間工は学歴に関係なく働ける」と言われることがありますが、実際のところが気になる人もいるかもしれません。期間工を募集している多くのメーカーでは、やる気があり、体力に自信のある人であれば、学歴に関係なく前向きに採用しています。
この記事では、中卒の人でも期間工に応募できる理由や、正社員を目指す際に押さえておきたいポイントを紹介しています。さらに、期間工として働いている人の年代についても、トヨタバッテリーのデータをもとに説明しています。内容を確認することで、期間工として働くイメージがより具体的になるはずです。
目次
中卒でも期間工として働ける?
期間工の求人では、学歴・職歴・性別を問わず応募を受け付けている企業が多く見られます。そのため、満18歳以上(高校生を除く)であれば、中卒でも期間工として働けます。実際に、トヨタバッテリーでは中卒や高卒で入社し、現場で活躍している人も多くいます。
なお、中卒には中学校を卒業後に進学しなかった人だけでなく、高校に進学したものの途中で退学した人も含まれます。一般的には、学校を中退すると就職活動で不利になりやすいとされていますが、期間工の採用では学歴が重視されていません。そのため、高校や大学を中退した人でも、問題なく応募できます。
また、期間工は学歴や職歴を問わず採用される仕事ですが、実際には大卒の人も働いています。短期間で収入を得やすいため、「起業資金を準備したい」「海外留学の費用を貯めたい」「資格取得を目指したい」など、さまざまな目的で期間工として働く人がいます。
さらに、多くのメーカーが正社員登用制度を導入しています。この制度を活用すれば、期間工から大手自動車メーカーや製造業の正社員を目指すことも可能です。採用されるには、学歴よりも「仕事に対する熱意」や「健康面での安定」をしっかり伝えることが大切です。
中卒でも期間工の仕事に応募できる理由
学歴を重視する企業では、中卒や高卒の人が応募の段階で制限されることもあります。それに対して、期間工は学歴や職歴に関係なく応募できる職種として広く知られています。では、なぜそのような違いがあるのでしょうか。ここでは、期間工という仕事の特徴を踏まえながら、中卒の人でも応募できる理由を紹介します。
学歴が重視されない
企業によっては、職種ごとに採用時の学歴を重視する場合がありますが、期間工に関しては学歴を重視しない企業がほとんどです。実際に、期間工の仕事では中卒でも大卒でも、学歴による給料の違いはありません。多くの企業では学歴によって待遇が変わることがありますが、期間工の場合は中卒であっても安定した収入を得られる点が特徴です。
面接では、中卒であることを正直に伝えたうえで、仕事に対する意欲や体力面での強みなどをしっかりアピールしましょう。
入社時に資格やスキルを求められることが少ない
期間工の仕事は、マニュアルに従って進めるシンプルな作業が中心です。そのため、入社時に専門的な資格や高度なスキルを求められることはありません。指示に沿って作業を進められる人であれば、未経験でも問題なく働けます。
さらに、期間工はあらかじめ働く期間が決まっているため、職場の入れ替わりも多く見られます。このような背景から、多くのメーカーでは人材を確保しやすくするため、資格や経験にとらわれない採用基準を採用しています。
特に、契約満了者が多くなる3〜4月や9〜10月、自動車業界の増産期にあたる1〜3月や7〜9月は、採用枠が広がりやすくなる時期とされています。こうしたタイミングを押さえることで、採用される可能性が高まります。
若さとやる気をアピールしやすい
期間工の仕事には立ち仕事や力仕事が多く含まれているため、体力に自信がある中卒の人は、若さや体力を強みとしてアピールできます。特に、自動車の組立や重量物の運搬など、体力を必要とする作業が多い工場では、若い人材が歓迎される傾向にあります。
採用時に年齢の上限を明確に設けている企業は少ないものの、メーカー側は体力的な負担が理由で早期に退職する人を避けたいと考えています。そのため、面接では過去の肉体労働の経験や、日常的に行っている運動・トレーニングなどについて具体的に伝えると、良い印象を与えやすくなります。
期間工は何歳が多い?
期間工として働いている人の年齢は、若くて体力のある20〜30代が中心です。以下の表は、トヨタバッテリーで期間工として働いている人を年代別に示した表です。
年代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 |
---|---|---|---|---|
割合 | 41% | 37% | 18% | 4% |
20代が41%と1番多く、全体の約8割が20代30代と若い世代であることが分かります。割合は少なくなりますが、40〜50代でも力仕事をこなしている人や現場のリーダー、比較的体力を使わない現場で活躍している人もいます。40代以降でも体力に自信があり、仕事に対してやる気があれば期間工として働くことは可能です。
また、期間工は入社前に健康診断を設けている企業もあり、腰痛や高血圧などの持病があると採用見送りになるケースもあります。仕事に支障を及ぼすほどの症状でなければ、健康診断は問題なくクリアできます。しかし、誰しも年齢が高くなるにつれて体の不調がでやすくなるため、健康に問題ない20〜30代が期間工の採用では有利です。
中卒で期間工の仕事へ挑戦するメリット
中卒の人が期間工に挑戦するメリットは、学歴に関係なく採用されやすい点だけではありません。ほかにも、期間工ならではの福利厚生や、正社員を目指せる制度などが用意されています。ここでは、中卒の人が期間工として働くうえで知っておきたい3つのメリットを紹介します。
寮費が無料の求人が多い
期間工を募集しているメーカーの多くは、工場の近くに寮を用意しています。寮費が無料のところもあれば、月2〜3万円程度の自己負担で住めるケースもあります。
さらに、部屋には生活に必要な家具や家電があらかじめ備えられているため、引越しの初期費用を最小限に抑えられます。お風呂やランドリーなどの共用設備も無料で利用でき、水道代や光熱費をメーカー側が負担してくれる場合もあります。
ほかの職種で一人暮らしを始めた場合と比べると、期間工は生活費を抑えやすく、貯金にまわしやすい環境が整っています。
収入が高く福利厚生も充実している
一般的な期間工の時給は1,200〜1,500円ほどに設定されています。勤務期間が長くなると、契約の更新にあわせて時給が上がっていく仕組みもあります。さらに、「入社祝い金」や「契約満了金」といった各種手当が加算されるため、中卒で未経験の人でも、他の職種と比べて高い給与を得られる点が大きな特徴です。
トヨタバッテリーでは、「寮の提供」「社員食堂の利用」「各種社会保険の適用」「赴任時の旅費補助」など、福利厚生も整っています。日々の生活にかかる費用を抑えられるため、仕事にしっかり集中できる環境が整っています。
正社員登用のチャンスがある
勤続年数や健康状態など、一定の条件を満たせば、学歴に関係なく正社員を目指せる制度があります。トヨタバッテリーでは、年に4回の正社員登用試験を実施しており、2018年から2022年の4年間で登用された社員は302名にのぼります。
期間工は働ける期間に上限がありますが、正社員になると原則として定年まで働き続けられます。さらに、昇格すれば役職手当が支給されることもあり、収入が増える可能性もあります。
期間工の年収はいくら?もらえる手当について
期間工の平均年収は約400万円から500万円ですが、年収が高くなるのは各種手当が充実しているためです。ここでは、期間工がもらえる3つの手当を紹介します。
入社祝い金
入社祝い金とは、採用が決まって実際に入社した人に対して、企業から支給されるお金のことです。企業は、より多くの応募者を集めたい、入社後に長く働いてもらいたいと考え、このような制度を用意しています。
金額はメーカーによって異なりますが、10万〜20万円が一般的です。なかには、50万円以上を支給するメーカーも見られます。なお、入社祝い金の支給時期は、すぐに辞めてしまう人を防ぐため、初回の給料日以降に設定されていることが多くなっています。
契約満了金
契約満了金とは、決められた契約期間を最後まで働いた人に対して支給される一時金で、慰労金と呼ばれることもあります。期間工の契約期間は、一般的に3〜6か月ごとに区切られており、雇用主と従業員の双方が合意すれば契約を更新できます。
契約期間が終了した際に支給されるこの契約満了金は、契約の継続回数に応じて金額が増える仕組みです。たとえば、トヨタバッテリーでは、初回から2回目までの契約満了金が20万5,000円ですが、9回目の契約を満了した場合には52万5,000円まで増えます。
勤務手当
期間工の仕事では、三交代勤務など夜勤を含む勤務体制が採用されている場合があります。そのため、夜勤手当をはじめとした各種勤務手当が手厚く支給される仕組みになっています。代表的な手当には「深夜手当」「時間外手当」「休日手当」などがあり、それぞれ基本時給に一定の割合を加えて計算されます。
トヨタバッテリーの例では、深夜手当が基本時給の50%増、時間外手当が30%増、休日手当が48%増に設定されています。夜勤や残業は身体への負担が大きくなりがちですが、その分が給与にしっかり反映されるため、働く意欲にもつながりやすくなります。
中卒から期間工の正社員として就職するための3つのポイント
期間工から正社員になるには、正社員登用試験を受け合格する必要があります。正社員登用試験を受ける条件は、上司からの推薦や勤続年数などメーカーによってさまざまですが、学歴は関係ないため、中卒の方でも正社員を目指すことは可能です。
試験に合格するためには筆記試験と面接をクリアするだけではなく、日頃の勤務態度や仲間と良好な人間関係が築けているかが重要です。
仕事に対して意欲的である
中卒で期間工から正社員を目指すには、仕事に対する前向きな姿勢が求められます。メーカーによっては、正社員登用試験を受けるために、上司の推薦が必要となる場合もあります。
与えられた仕事に真剣に取り組むだけでなく、報告・連絡・相談を欠かさず行うことや、社内のルールをしっかり守ることも大切です。こうした基本的な行動を意識しながら、意欲的に働いていくと、上司からの評価につながり、推薦を受けられる可能性も高まります。
遅刻・欠勤をしない
遅刻や欠勤は、勤務態度を評価するうえで非常に重要です。体調不良やケガなど、やむを得ない事情がある場合もありますが、遅刻や欠勤が続くと周囲からの信頼を得にくくなります。
どうしても遅刻や欠勤が避けられないときは、できるだけ早く職場に連絡を入れましょう。早めに伝えることで業務の引き継ぎが円滑に進み、信頼関係を保ちやすくなります。また、普段から規則正しい生活を心がけ、体調を整えておくことで、無遅刻・無欠勤を目指しやすくなります。
良好な人間関係を構築できる
中卒から期間工として正社員を目指すには、職場で良好な人間関係を築く姿勢が欠かせません。上司や同僚と円滑にコミュニケーションを取れる人がいると、職場全体の雰囲気が和らぎ、働きやすい環境が生まれやすくなります。
人間関係を築くには、出社や退社のあいさつを丁寧に行い、質問や会話の際には明るくはっきりとした受け答えを心がけましょう。チームで仕事を進める場面では、困っている人を見かけたら声をかけて手を貸すことで、協力体制が整いやすくなります。そのような行動は全体の業務効率を高め、周囲からの評価にもつながります。
期間工は中卒でも働ける!トヨタバッテリーの期間工にチャレンジしてみよう
期間工の仕事では学歴が問われないため、中卒でも高卒でも働くことが可能です。勤務期間が長くなるほど時給が上がり、各種手当も充実しているため、給与面においても学歴による差が出にくい点が大きな魅力です。
作業の多くが立ち仕事や力仕事となるため、体力に自信があり、健康状態が良好な若い世代のほうが採用で有利になる傾向があります。また、与えられた仕事に真面目に取り組み、周囲との関係を大切にできる人には、正社員登用のチャンスもあります。
トヨタバッテリーでは、静岡の工場で期間工を募集しています。18歳以上であれば、学歴や職歴を問わず応募可能であり、男女問わず多くの未経験者が現場で活躍しています。入社祝い金50万円や、総額312.5万円にのぼる報奨金・慰労金、そして正社員登用制度など、努力がしっかり評価される環境が整っています。興味がある方は、ぜひ応募を検討してみてください。