期間工の募集では、「入社祝い金」が用意されている場合があります。「なぜ、入社するだけで祝い金がもらえるの？」「入社祝い金には何かからくりがあるのでは？」と疑問に感じる人も多いのではないでしょうか。
本記事では、期間工の入社祝い金の支給条件や時期について解説します。さらに、期間工をすぐに辞めた場合の入社祝い金の扱い、期間工の報奨金や慰労金、「人材派遣会社経由の入社祝い金」についても併せて説明します。ぜひ期間工に応募する際の参考にしてください。
目次
入社祝い金とは
「入社祝い金」は、新規に採用された従業員に支払われる特別な手当です。「入社」といっても必ずしも正社員だけではなく、アルバイトや契約社員が対象となる場合も「入社祝い金」と呼ばれます。「入社特典」「入社支度金」「初年度特典」などという名目となっていることもありますが、内容は同じものを指します。
金額は数万円であることが一般的ですが、なかには数十万円の場合もあります。期間工の求人をチェックする際には見落とさないようにしましょう。
もらえる条件は？
入社祝い金には大きく分けると「勤務開始前や直後に支給されるもの」と「勤務開始後、一定の条件を満たすと支給されるもの」の2通りがあります。
前者はいわば「契約金」のような扱いです。後者の場合の「一定の条件」としては、「数カ月程度の一定期間の在籍」「出社率が一定以上」「遅刻・早退の回数が少ない」などが一般的です。
これらの条件は企業や雇用契約によって異なります。応募の際には具体的な条件を確認しておきましょう。
いつもらえるのか
一定の条件を満たすと支給される場合の入社祝い金で金額が10万円以上となる場合、分割での支給が一般的です。
例えば、入社2カ月目以降や3カ月目以降に一定額が支給され、その後も一定期間ごとに支払われます。これは「勤務に対する報酬として支給される」と考えればいいでしょう。具体的な支給時期については、企業の採用時の募集条件や雇用契約を確認しましょう。
期間工を辞めた場合の入社祝い金の扱い
「契約期間途中で退職する場合、それまでに支給された入社祝い金は返さないといけないのか」と気になる人もいるかもしれません。しかし、大丈夫です。仮に「入社後1年以内に自己都合退職した場合は、入社祝い金は全額返還する」といった契約書や誓約書にサインしていても同様です。こういった条件をつけるのは労働基準法第16条で禁止されており、無効です。
ただし、それ以降に同じメーカーでは採用されにくくなったり、人材派遣会社から仕事を紹介してもらえなくなったりする可能性があります。
期間工のボーナスにあたる報奨金や慰労金などもある
以前はボーナス（賞与）や退職金が支給されるのは正規雇用（正社員）だけとされてきました。
近年では非正規雇用である期間工にも「報奨金」や「慰労金」の名目で、事実上のボーナスや退職金が出されることが珍しくなくなりました。
「報奨金」は、勤務態度や成績に応じて支給され、「寸志」などの名前になっている場合もあります。一方で「慰労金」が支給されるのは契約期間を満了まで勤め上げた場合です。こちらも「満了金」など呼び方はさまざまです。
期間工としての半年間の契約を9期（4年半）勤め上げると、報奨金と慰労金の合計が300万円を超える例もあります。1年あたりに換算すると70万円ほどになるため、決して小さい金額ではありません。
派遣会社からの入社祝い金はなくなった
以前は人材派遣会社や職業紹介会社が入社祝い金を出す場合もありました。しかし、お祝い金で誘って求職者に何度も転職させ、仲介手数料を得るといった手口で悪用する例がありました。そのため、2021年4月から人材派遣会社や職業紹介会社などからの入社祝い金は禁止されています。
現在では自動車製造業や電気機械製造業、電子部品製造業など、期間工の職場となる企業が出すものだけとなります。企業側としては、「契約途中での退職の回避」「仕事へのモチベーションアップ」などを目的として入社祝い金制度を設けています。
期間工の求人チェックには、入社祝い金も忘れずに!
入社祝い金各企業によって支給条件が異なりますが、一般的には期間工としての勤務態度や一定期間の在籍などを満たせば支払われます。さらには、事実上のボーナスである報奨金や慰労金なども期待できます。
以前は、人材派遣会社や職業紹介会社が入社祝い金を出す場合もありましたが、現在は禁止です。そのため、入社祝いを支払うのは期間工の職場となるメーカーです。
期間工への応募の際には入社祝い金などがあるかどうか、その支給条件はどうなっているかを確認し、少しでも有利な条件で働きましょう。
