期間工は正社員と異なり雇用期間に定めがあるため、住宅や車のローンを組むのは難しいというイメージがあります。ローン審査においては、借り手の収入や勤続年数、信用情報などがチェックされますが、審査基準は金融機関によって異なります。
この記事では、期間工のローン事情や住宅・車のローン審査でチェックされるポイントについて解説します。期間工として働きながらローンを組もうと考えている方は、あらかじめチェックしておきましょう。
目次
期間工でも住宅や車のローンは組めるのか
職業が期間工であっても、住宅ローンや自動車ローンを組むことは可能です。期間工の雇用形態は有期雇用契約による「契約社員」となりますが、この点だけを理由としてローンが組めないということはまずありません。
金融機関が審査の際に重要視するのは、過去の信用情報と現在の返済能力といわれます。過去に金融事故がなく、現在の年収や職歴から判断して返済能力が十分あると認められれば、期間工でも住宅ローンが組める可能性があります。したがって、期間工であること自体がローン組めない理由にはなりません。
ただし、金融機関側の引き受けスタンスによっては借り入れができない可能性もゼロではない点には注意が必要です。いずれにしても、まずは必要な書類を準備し、審査を進めてみましょう。
期間工でもこんな場合は借りられない!
期間工でも条件を満たせばローンを組めますが、確実に借りられないとわかるケースもあります。ここでは、事前に借りるのが難しいと判断できるケースについて解説していきます。
信用情報に問題がある場合
住宅ローンを申し込む際、金融機関は過去の信用情報について調査を行い、何かしら問題がある場合は審査にまず通りません。信用情報とは、クレジットカードやローンの利用状況、返済状況などが記録された情報のことであり、過去に支払うべきお金をきちんと支払ってこれたかということがわかります。
たとえば、携帯電話料金や公共料金(ガス代、電気代など)の滞納歴、自己破産や債務整理などの金融事故の履歴があると、返済能力に不安があると判断されます。そうすると、高額な住宅や車の購入のためにローンを組んでも全額返済できるのかという点で説得力に欠けてしまいます。
勤続年数や年収が安定していない場合
期間工の場合だと勤続年数が短く年収も安定しないケースが多いため、住宅ローンの審査では厳しく見られます。現在の収入が返済予定金額に対して十分な水準であれば審査は通りやすいと考えられますが、収支バランスによっては承認されない可能性があります。
また、期間工は雇用期間が決まっているため、期間満了後の収入見込みも審査で確認される要素となります。契約更新のタイミングなども考慮して申し込む必要があることを覚えておきましょう。
すでに借入がたくさんある場合
金融機関は借り手の返済能力を判断するために、現在の借り入れ状況もチェックします。
すでに借入がたくさんある場合、返済能力に対して返済金額の負担が重いと判断されると審査に通りません。複数のローンを申し込むと、支払いが困難になる可能性が高いと判断されるためです。
期間工がローンを組む際のポイント
期間工がローンを組む際には、返済について考えながら押さえておきたいポイントがあります。ここではローンの審査を行う前に知っておきたい3つのポイントについて解説します。
固定金利型を選ぶ
ローンの金利タイプには、固定金利型・固定金利期間選択型・変動金利型の3つがあります。
この中でも、固定金利型ローンは返済期間中の金利の変動がなく、支払い金額が毎月安定するため返済計画が立てやすいものです。ただし、金利は変動金利型に比べて少し高めに設定されているため、返済総額が高くなる点には注意が必要です。
頭金を多く用意して月々の返済額を下げる
期間工がローンを組む際、月々の返済負担を可能な限り抑えることが重要です。その方法の一つとして、頭金を多めに用意して借入残高を減らし、月々の返済額を下げることが挙げられます。
月々の返済額が少ないほど、返済の負担が減ります。期間工は長期間働けず収入が不安定な面もあるため、このような現実を見据えた対策は有用です。金融機関にとっても頭金が多い分、回収不能になるリスクが低減します。
他社からの借入金を先に返済しておく
期間工がローンを申し込む際において、すでに借り入れしているクレジットカードやその他ローンなどの借入金がある場合には、それらを先に返済しておくことが大切です。他社からの借入金が多いと返済負担が重いと判断され、収入とのバランスによって審査が通りにくくなります。
ただし、他社からの借入金を返済する際は、「生活費や緊急時の備えに十分なお金を確保できているか」「無理な返済計画を立てていないか」といった点を確認しておきましょう。
期間工でもローンを組めるが収入とのバランスが大事
期間工でもローンを組むことは可能です。ただし、契約期間に定めのある期間工では、正社員以上に収入面の安定について厳しく見られる可能性があるため注意が必要です。
ローンを組めるかどうかのカギとなるのが「収入と返済のバランス」です。現在から将来に向けての収入を見積もり、その範囲内で無理のない返済計画を立てましょう。借入額に比べて返済能力が乏しい場合は、「固定金利型を選ぶ」「頭金を多めに準備する」などの工夫が必要となります。
期間工においては収入が変動しやすい面があるため、返済可能な範囲での借入に留め、万が一収入が変動しても対応できる余裕を持つことを心掛けましょう。