工場への就職に役立つQC検定とは？試験内容や勉強法を紹介

各企業では、製造物責任の観点から製品やサービスの品質について試行錯誤しながら日々厳しく管理を行っています。品質管理に関する資格としてQC検定がありますが、製造業をはじめとしたさまざまな分野の業種に活用されています。
 

工場勤務が主となる期間工の仕事において、QC検定を取得することでメリットはあるのでしょうか。
 

この記事では、QC検定の試験内容や勉強方法について解説していきます。QC検定は、期間工として働きながら取得できるため、これから期間工の応募を考えている人もぜひチェックしておきましょう。
 

QC検定とは

近年、製品やサービスの品質に対する消費者の意識が高まっており、企業側も徹底した品質管理を求められています。QC検定の取得は、企業の安全・安心保持に繋がる重要な役割を果たすため、多くの企業が推奨しています。
 

ここでは、QC検定の概要について紹介していきます。
 

QC検定とはどのような資格？

QC検定とは、品質管理に関する知識を客観的に評価するための民間資格です。毎年3月と9月の年2回、一般財団法人日本規格協会（JSA）と一般財団法人日本科学技術連盟（JUSE）が全国120箇所の会場で試験を実施しています。
 

QC検定は1級から4級まで分かれており、いずれの等級も受験資格の制限はありません。品質管理に携わる社会人だけでなく、高校生や大学生でも受験可能です。製造業に就職を考えている人は、取得しておくと就職で有利になるでしょう。
 

何級から就職に有利になる？

QC検定の資格を面接でアピールするのであれば、3級以上を取得していれば有効です。
 

近年、社員に品質管理の基礎知識を習得してほしいと考える企業も増えているため、QC検定の評価と需要が高まっています。品質管理が特に重要視される製造業では、入社後にQC検定の取得を必須とするケースや、管理職の昇格条件として2級以上の取得を必須とするケースもあります。
 

安全で品質のよい製品やサービスを提供するためにもQC検定の取得はおすすめです。また、モノづくりに必要な品質管理への意識があることの証明となるでしょう。
 

QC検定の試験内容

QC検定の等級は高くなるにつれて、品質管理に関する知識の範囲や量の深い理解が必要となります。
 

ここでは、各等級における試験内容について概要を紹介します。各等級の内容を把握し、自分の能力や知識、経験を考慮したうえで受験する等級を選びましょう。
 

4級

QC検定4級は、組織で働く際の基本的な品質管理と企業活動が理解できるレベルです。社会人として最低限知っておくべき仕事の進め方、品質管理の用語の知識が問われます。
 

合格率 はQC検定の中で最も高く、受験者のうち約85%が合格しています。4級の主な対象者は、品質管理を初めて学ぶ新入社員や大学生、高校生です。
 

3級

QC検定3級は、「QC七つ道具」の作り方と使い方をほぼ理解し、QC的品質管理問題解決法に則った指導で問題を解決できるレベルです。基本的な知識として、品質管理の実践方法を理解しておく必要があります。
 

例年3級の受検者数が一番多く、合格率は毎年50%前後で推移しています。3級の主な対象者は品質管理の経験者、職場の問題解決をする社員、品質管理を学ぶ学生です。
 

2級以上

QC検定2級では、職場で発生するさまざまな品質の問題を新旧のQC七つ道具を用いて、自ら解決できる能力が求められます。品質管理の実践について十分な理解があり、基本的な品質管理や改善活動を自立して行えるレベルです。
 

合格率は20〜30％と低く、品質管理に関わる部署のリーダーや管理職、スタッフなどが2級以上の主な対象者となります。
 

QC検定取得のための勉強方法

QC検定の勉強を効率的に進めるには、過去問を眺めたうえで各級のテキストを読み込む方法が確実です。出題頻度の高い用語や範囲をテキストで確認する癖をつけ、わからない用語が出た際には、すぐ調べるとよいでしょう。出題数が特に多い「新旧QC七つ道具」に関する問題については、しっかりと対策を立てる必要があります。
 

「QC七つ道具」においては、文章を暗記するには時間がかかるため、図で特徴を押さえてから文章で要点を理解する方法が効率的です。「新QC七つ道具」においては、新和図法、関連図法、系統図法の違いを理解しておきましょう。
 

最近では、QC検定に関するアプリも配信されているため、単語の暗記や力試し、正解率の確認を通勤中や休憩時間などの空いた時間に活用しましょう。
 

QC検定を持っていると有利になる職種

QC検定を取得することで品質管理に関する知識や管理能力を証明できるため、製造業の就職で有利になります。QC検定のなかでも1級や2級の上位資格は専門性が高いため、キャリアアップによる昇給が期待できます。
 

製造業の現場では、人手不足や技術力低下の影響による製品の品質低下が課題とされています。品質管理が不十分だと、企業の社会的信頼を失いかねません。このようなリスクを避けるためにも、品質管理への取り組みは重要度を増しており、基準も年々厳しくなっています。
 

製造業以外でも品質管理のスキルを生かせる職種は複数あるため、自身のキャリアプランを考えたうえでQC検定の受験を検討しましょう。
 

QC検定の勉強は期間工で働きながら学習することもおすすめ！

QC検定は期間工でも活かすことができる資格であり、働きながら取得できます。製造業の現場はQC検定の内容と密接に紐づいているため、給与をもらいながら効率良くQC検定の勉強ができます。
 

製造業で管理職を目指す場合には、QC検定の上位資格の取得が求められるケースもあります。期間工として働いて製造現場での経験を積みながら、QC検定の勉強を進めていきましょう。