期間工として働いた後、失業保険をすぐに受給できるか、気になる方は多いのではないでしょうか。失業保険を受け取るためには、いくつかの条件を満たす必要があります。また、申請の手続きや受給開始までの流れを理解しておくと、給付がスムーズです。
この記事では、期間工を辞めた後の失業保険の受給条件や手続きの流れを解説します。仕事を辞めた後の生活を支えるために重要な失業保険について、詳しく知っておきましょう。
目次
期間工の失業保険|まず受給条件や金額を確認
失業保険は、公的保険制度の一つです。自己都合の退職や解雇、倒産といった理由で失職した場合、次の仕事が見つかるまでの生活を支えるために受け取れます。
期間工として働いた場合も、この失業保険の対象となります。契約更新されずに雇用が終了した場合でも、所定の条件を満たしていれば受給できます。受給資格や支給金額、手続きの流れを事前に確認しておきましょう。仕事を辞めた後に慌てないよう、早めに情報を集め、計画を立てておくことが大切です。
1.受給条件
失業保険を受給するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。基本的な条件として、雇用契約の終了日までの2年間で、1年以上雇用保険に加入していることです。また、以下の3点も受給条件になります。
- 働く意思があること
- 健康状態や生活環境に問題がないこと
- 積極的に仕事を探しているが、まだ次の就職先が決まっていないこと
直近の勤務先だけでなく、過去2年間に他の企業で雇用保険に加入していた場合も、その期間が通算されます。ただし、離職から次の就職までの空白期間が1年以内、かつ前回の離職時に失業保険の給付を受けていないことが条件です。
2.支給額
失業保険の支給額は「基本手当日額」が基準です。この金額は、退職前6カ月に支払われていた給与を基にした「賃金日額」の50〜80%で算出されます。例えば、給与が月25万円の場合、賃金日額は「25万円×6カ月÷180日=8,333円」です。
期間工の場合、基本手当日額の給付割合は60%が目安です。「賃金日額8,333円×0.6」と計算し、基本手当日額は約5,000円と算出されます。この支給額を基に失業保険の総額が決まるため、事前に自分の給与をもとに計算しておくと安心です。
3.支給開始日
失業保険の支給開始日は、退職理由が「会社都合」か「自己都合」かで異なります。会社都合の退職(解雇や退職勧奨など)の場合、支給開始は受給資格が決定し待機期間を終えた7日後からです。一方、自己都合での退職(待遇の不満や家庭の事情など)の場合は、待機期間に加えて給付制限が設けられ、申し込みから約2カ月と7日後に支給が開始されます。
自己都合退職の場合は、会社都合退職と比べて支給までの期間が長くなります。どちらの場合でも、早めにハローワークで手続きを行い、必要な書類をそろえることが重要です。
4.支給期間
失業保険の支給期間も、退職理由によって異なります。
①会社都合で退職した場合(加入期間が1年以上5年未満)
- 30歳未満…90日
- 30歳から35歳まで…120日
- 35歳から45歳まで…150日
会社都合の場合は、退職時の年齢に応じて支給日数が異なります。
②自己都合で退職した場合(加入期間が1年以上10年未満)
- 一律90日間
加入期間が10年を超えた場合は日数が加算されます。
支給期間は生活基盤を整えるために大きく影響する期間です。しっかり確認しておきましょう。
失業保険受給までの流れ
失業保険を受給するためには、離職後迅速な手続きが重要です。手続きの流れは以下の通りです。
- 退職した会社から離職票を受け取る。
- 離職票を持参し、管轄のハローワークにできるだけ早く必要書類を提出する。
- ハローワークが実施する受給説明会に参加し、失業保険の制度や手続きについての説明を受ける。
- 失業の認定を受けるため、求職活動を行い、その内容を報告する。
- 失業認定後、支給が決定し、指定口座に失業保険が振り込まれる。
受給資格を得るためには、継続的な求職活動が求められます。
1年未満の契約でも失業保険が受け取れる特定理由離職者とは?
失業保険の受給条件は、原則として「雇用保険に1年以上加入していること」ですが、期間工の場合、契約期間が1年未満で終了することもあります。このような場合、「特定理由離職者」として認定されれば、失業保険を受給できる可能性があります。
特定理由離職者に認定されるのは、例えば、契約更新を希望していたにもかかわらず会社都合で契約が更新されなかったケースです。この場合、離職前の1年間のうち6カ月以上雇用保険に加入していれば、給付対象となります。特定理由離職者は、加入期間に応じて受給期間が通常より優遇される場合もあるため、詳細を確認して申請することが重要です。
知っておきたい失業保険を受給する際の注意点
失業保険を受給する際は、申請手続きや条件を正しく理解しておく必要があります。注意点を押さえておけばスムーズに受給でき、次の就職活動に集中できるでしょう。
アルバイトは不正受給の対象になることも
失業保険の受給中にアルバイトをする場合、注意が必要です。離職から失業保険の受給資格を得るまでの待機期間中は、アルバイトや副業ができないためです。
待機期間後はアルバイトが可能ですが、失業認定日に提出する失業認定申告書に働いた日数や収入の申告が必要です。週20時間未満の労働であれば問題ありませんが、それを超えると就労とみなされ、失業保険の対象外となります。申告を怠ると不正受給と見なされ、罰則を受けることもあるため注意しましょう。
受給には求職活動実績が必要
失業保険を受給するためには、客観的に確認できる形で求職活動の実績を作る必要があります。具体的には、求人への応募、ハローワーク等での職業相談や職業紹介の受講などです。
失業認定日から次回の認定日までの間(認定対象期間)に、最低でも2回以上の求職活動の実績が求められます。この実績がない場合、失業保険を受け取れなくなるケースもあるため、求職活動は計画的に実施しましょう。
期間工として再就職するなら再就職手当について知っておこう
再就職手当は、失業者の早期再就職を促進するために設けられている制度です。失業保険を受け取っている雇用保険受給資格者が、失業保険受給期間中に再就職が決定したり、自分で事業を開始した場合に支給されます。ここでは、再就職手当の受給条件や支給額についてまとめました。
再就職手当の受給条件
再就職手当を受けるためには、下記の条件を満たす必要があります。
- 就職日の前日までの支給残日数が所定給付日数の3分の1以上であること
- 就職先で1年以上の勤務が確実であること
- 失業保険の受給手続きをした後、7日間の待機期間を満了し、その後に就職または事業を開始すること
- 自己都合で退職した場合は、ハローワークまたは許可
- 届出のある職業紹介事業者の紹介で就職すること
- 再就職先は前職とは全く関わりのない会社であること
- 過去3年以内に再就職手当を受けていないこと
- 失業手当の申し込み前に内定が決まっていた会社でないこと
再就職手当の金額
再就職手当の支給金額は、主に「失業保険の受給残日数」「基本手当日額」「給付率」の3つの要素を掛け合わせて算出されます。給付率は、失業保険の受給残日数により変動します。
残日数が所定給付日数の3分の1以上残っている場合、再就職手当の支給給付率は60%です。また、3分の2以上残っている場合は70%の給付率が適用されます。再就職の決定が早ければ早いほど、受け取る再就職手当の金額が多くなります。
基本手当日額は、通常の失業保険支給額と同じく退職前の給与を基に計算されるため、事前に確認しておきましょう。
期間工で再就職手当を受け取るための注意点
再就職先に期間工を選ぶ場合も、再就職手当の対象になることがあります。ここでは、期間工として再就職手当を受け取るための注意点を解説します。
再就職手当を受け取るには1年以上の勤務が必要
期間工として再就職手当を受け取るためには、「1年を超えて勤務することが確実であると認められること」という条件が求められます。
期間工は有期雇用契約で、契約期間は通常3か月~6か月程度が多く、この期間だけでは再就職手当を受け取る条件を満たしません。そのため、契約更新を重ねて1年以上の勤務見込みが必要です。
期間工は人手不足を補うために採用されることが多く、企業側の事情や就業態度に問題がない限り契約は更新される傾向にあります。そのため1年以上の勤務見込みは十分にあるでしょう。契約更新を重ねれば、再就職手当を受け取るための条件を満たすことが可能です。
再就職手当支給申請書の記入が重要なポイント
再就職手当を受け取るためには、再就職から1年以上継続して勤務することの証明が必要です。これは再就職後に勤務先で記入してもらう再就職手当支給申請書「17.雇用期間:1年を超えて雇用する見込み」の欄の「有」を〇で囲むことで証明になります。
この欄へのチェックがなければ再就職手当を受け取れないため、必ず確認しておきましょう。「再就職手当支給申請書」は、原則として就職から1ヵ月以内に提出する必要があります。
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失業保険をスムーズに受け取るためには、事前の準備と正しい手続きが重要です。必要な条件を満たしていれば、失業保険を受け取ることができ、次のステップへの支援となるでしょう。
失業保険はあくまで「次の道を見つけるためのサポート」で、受給期間中は自分のスキルやキャリアを見直し、新たな目標を考える貴重な時間です。
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